「躁転という言葉を聞いたことがあるけれど、よくわからない」
「うつ状態から元気になったと思ったら、躁転と言われた」
「双極性障害の治療中に躁転することがあると聞いて不安」
このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
躁転(そうてん)とは、うつ状態から躁状態または軽躁状態へ移行することを指します。双極性障害の経過の中でみられることがあるほか、治療中の薬の影響によって起こる場合もあります。
躁状態になると、一見すると元気になったように見えるため、本人や周囲が「回復した」と感じることも少なくありません。しかし実際には、気分が必要以上に高まっている状態であり、仕事や人間関係、お金の問題などにつながることがあります。
この記事では、躁転とは何か、なぜ起こるのか、どのような症状が現れるのか、仕事や生活にどのような影響があるのかについてわかりやすく解説します。
躁転とは
うつ状態だった人が、躁状態または軽躁状態へ移行することを指します。
双極性障害の治療や経過の中でよく使われる言葉で、特に「うつ状態が改善した」というよりも、気分が上がりすぎる状態に変化してしまった場合に使われます。
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躁転をわかりやすく例えると
例えば、うつ状態のときは、
- 気分が落ち込む
- やる気が出ない
- 疲れやすい
- 外出する気力がない
- 何をしても楽しく感じられない
といった状態になります。
その後、治療や時間の経過によって回復していくのは良いことですが、回復の範囲を超えて、
- 急に活動的になる
- 寝なくても元気になる
- 自信が異常に高まる
- おしゃべりが止まらない
- 次々と予定を入れる
- 高額な買い物をする
といった状態になることがあります。
このように、うつ状態から躁状態(または軽躁状態)へ移行することを「躁転」といいます。
躁転と「元気になった」は違う
躁転で注意したいのは、本人や周囲が
「元気になってよかった」
と思ってしまうことです。
しかし実際には、
- 眠らなくても平気
- お金を使いすぎる
- 仕事を抱え込みすぎる
- 無謀な行動を取る
など、病気の症状として現れている場合があります。
なぜ躁転が起こるの?
双極性障害では、もともと気分の波があるため自然に躁転することがあります。
また、治療中に使用する薬の影響で躁転が起こる場合もあります。
特に注意されるのが抗うつ薬です。
双極性障害をうつ病と誤診して抗うつ薬だけで治療すると、
- 気分が急激に上がる
- 軽躁状態になる
- 躁状態になる
ことがあります。
そのため、双極性障害では気分安定薬を中心とした治療が行われます。
躁転のサインに気づくことが大切
双極性障害では、躁転の早期発見が重要です。
次のような変化があったら注意しましょう。
- 睡眠時間が急に短くなった
- 異常に活動的になった
- おしゃべりが増えた
- イライラしやすくなった
- お金を使いたくなる
- 「自分は何でもできる」と感じる
こうした変化が見られた場合は、主治医へ相談することをおすすめします。
躁転すると仕事でどんな問題が起こる?
働いている方の場合、躁転によって次のような問題が起こることがあります。
仕事を抱え込みすぎる
「何でもできる気がする」
という感覚になり、
- 仕事を引き受けすぎる
- 残業を増やす
- 無理なスケジュールを組む
ことがあります。
しかし、その後うつ状態になると対応できなくなってしまいます。
人間関係のトラブル
躁状態では、
- 話しすぎる
- 相手の話を聞けない
- 攻撃的になる
ことがあります。
その結果、職場でトラブルになるケースもあります。
衝動的な行動
- 突然退職する
- 高額な契約をする
- 転職を繰り返す
など、後から後悔する行動につながることもあります。
支援員として伝えたいこと
双極性障害の方は、
「うつ状態はつらいけれど、躁状態は調子が良いから問題ない」
と思うことがあります。
しかし実際には、
双極性障害で最も注意が必要なのは躁状態や軽躁状態であることも少なくありません。
なぜなら、本人が病気だと気づきにくく、仕事や人間関係、お金の問題など大きなトラブルにつながることがあるからです。
そのため、
- 睡眠時間の変化
- 活動量の変化
- 気分の高まり
を記録しながら、自分の躁転のサインを知っておくことが大切です。
双極性障害とうまく付き合っていくためには、「うつ状態だけでなく躁状態にも気づくこと」が重要なポイントになります。
まとめ
躁転とは、うつ状態から躁状態または軽躁状態へ移行することを指します。
双極性障害では自然な経過として起こることがありますが、治療中の薬の影響によって生じる場合もあります。
一見すると元気になったように見えるため、本人も周囲も気づきにくいことがあります。しかし、仕事や人間関係、お金のトラブルにつながることもあるため注意が必要です。
双極性障害と上手に付き合っていくためには、うつ状態だけでなく躁状態のサインにも気づくことが大切です。
気になる変化があったときは一人で判断せず、主治医へ相談しましょう。
躁転について正しく理解し、自分の症状の変化を把握することは、双極性障害の再発予防や安定した生活につながります。

