「就労移行支援って実際どうなの?」
「メリットだけじゃなくデメリットも知りたい」
「利用して後悔しない?」
このような疑問を持って検索された方も多いのではないでしょうか。
就労移行支援は、障害や体調面の不安を抱える方が一般企業への就職を目指すための福祉サービスです。しかし、ネット上には、「意味ない」「就職できない」「行くだけ無駄」といった極端な意見もあり、不安になりますよね。
私は支援員として多くの利用者さんと関わってきましたが、実際は合う人には非常に効果があり、合わない人には合わない制度です。
だからこそ重要なのは、メリットとデメリットを正しく理解することが大切です。
この記事では現場視点から、
- 本当のメリット
- 見落とされがちなデメリット
- 向いている人と向かない人
- 後悔しない選び方
など、さまざまな視点から徹底解説します。
就労移行支援とは?簡単におさらい
就労移行支援とは、一般企業に就職するための準備を行う訓練型福祉サービスです。
- 原則利用期間2年
- 多くの人が自己負担0円
- 就職後の定着支援あり
制度の基本を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

メリット・デメリット比較表
まずは、就労移行支援のメリットとデメリットを表にまとめました。詳しくはあとで解説をしています。
| メリット | デメリット | |
| 就職支援 | 手厚い | 行動は本人次第 |
| 収入 | 無料利用可能 | 給料なし |
| 期間 | 2年間という制限があるため集中できる | 2年間で就職できないこともある |
| 環境 | 必要な設備、支援あり | 合わない場合はがある |
| 将来性 | 就職に強い | 即収入には繋がらない |
就労移行支援のメリット
まずは、実際に利用者が感じやすいメリットから解説します。
メリット① 就職支援が圧倒的に手厚い
ここが最大のメリットです。
就労移行支援では、就職に必要な準備をすべてサポートします。
- 履歴書添削
- 面接練習
- 求人紹介
- 企業実習
- 面接同行
一般的な就活支援よりも、はるかに個別対応が手厚いのが特徴です。
ここに記載している以外にも、ハローワークの同行や通院同行、企業見学の同行など、利用者の就職をサポートするために必要な付き添いをしています。
「一人で大丈夫」と言われる利用者の方もいますが、大体の方が同行を希望されます。初めてのことは何かと不安です。同行者がいるだけで安心感があり、メンタル的なサポートも担っています。
メリット② 自分に合う仕事が見つかる
実習を通して向いているや仕事苦手な作業、必要な配慮が明確になります。また、作業所内で行う訓練の中で、支援者からのフィードバックを受け、自分の向き不向きを客観的に把握することができます。
またさまざまなツールやプログラムを通し、自己理解が深まるため、就職後のミスマッチが減ります。
メリット③ 生活リズムが整う
働くうえで最も重要なのは、スキルより生活リズムです。どんなにスキルが高くても、生活リズムが乱れ、遅刻や欠勤が多い人は、企業は採用してくれません。
就労移行支援では1日のスケジュールが決まっています。
起床
↓
通所
↓
訓練
↓
帰宅
という流れを継続することで、自然と生活習慣が整います。規則正しい生活習慣は、体調管理にも必須です。
メリット④ 就職後も支援が続く
多くの人が誤解していますが、就職はゴールではありません。むしろ本番は就職後です。
- 人間関係
- 体調
- 業務量
- 職場配慮
これらの問題を支援員が間に入り調整します。この定着支援があることで、離職率が下がります。
メリット⑤ 自信がつく
通所を続けるだけで自信がつく人は非常に多いです。
「通えるようになった」
「作業ができた」
「発表できた」
このような小さな成功体験の積み重ねが、就職につながります。
客観的な支援員のフィードバックで、自分の「できた」「できるんだ」を積み重ねていくことが自信につながります。
メリット⑥ 無料で利用できる場合が多い
前年収入に応じて負担額が決まるため、多くの方が自己負担0円です。
費用面のハードルが低いのは大きな利点です。金銭面で不安な方は、一度お住いの自治体に確認してみるとよいでしょう。
就労移行支援のデメリット
ここからは、現場だからこそわかるリアルなデメリットを解説します。
デメリット① 原則給料は出ない
訓練サービスのため、給与は基本ありません。
収入が必要な方にとっては大きなデメリットです。急いで収入が必要な方は、障害年金や生活保護などの制度を併用し就労移行支援に通うのがいいでしょう。
デメリット② 利用期間が2年まで
期間制限があるため、「ゆっくり通いたい」「長く通いたい」という方には向きません。
就職は縁とタイミングです。この2年間のなかで、希望の求人を見つけ就職につなげなければなりません。
これがプレッシャーに感じる方もおり、焦りにつながるケースがあります。
デメリット③ 事業所によって質が大きく違う
これは最も重要なポイントです。
また、障害の種類や程度によって、ハード面で通所できないケースも。
実際、私が働いている就労移行支援事業所では、完全バリアフリーではないため、車いすの方はお断りせざるを得ない状況です。身体障害の方は通所されていますが、歩行は可能で身の回りのことはほとんど自分でできる方です。
デメリット④ 合わないとストレスになる
通所型サービスのため、人間関係や環境、ルールが合わない場合、ストレスに繋がります。
支援員との相性もありますが、通っている他の利用者の障害種類によっては、馴染めず戸惑うケースも多いようです。
デメリット⑤ 必ず就職できるわけではない
就労移行支援事業所に通っているからといって、必ず就職できるわけではありません。支援はあくまでサポートです。最終的に行動するのは本人です。
そのため、就職へ向けた行動力やモチベーションの維持など、本人次第となる部分も大きいでしょう。
就労移行支援が向いている人・向かない人
「自分には就労移行支援は向いているのだろうか…」
そんな不安がある方に、ここでは就労移行支援が向いている人と向いていない人のタイプを紹介します。
向いている人
- 将来働きたい
- スキルを身につけたい
- 自信をつけたい
- 就職したい
上記のような考えを持っている方には、就労移行支援はおすすめです。
就労移行支援事業所は、前にも述べましたが、働きたい方をサポートし就職に繋げる場所です。「働きたい!」と前向きな意欲がある方は、就労移行支援事業所はぜひ検討していただきたいです。
「働きたいけど自信がない」という方の、地盤作りにも最適です。
向かない人
- 今すぐ収入が必要
- 通所が難しい
- 就職意思がない
上記のような考えを持っている方は、就労移行支援事業所には向いていません。
先にも述べましたが、就労移行支援事業所は働くための準備をする場所です。そのため、収入が無いため、すぐに収入が必要な方にとっては向かないでしょう。
また、体調が整っていない方や継続した通所ができない方は、就職に繋げるのは難しいでしょう。
そのような方は、まずは医師と相談し、就職に向けた体調管理や体力づくりなどを行うところから取り組むことをおすすめします。
就労移行支援で失敗する人の特徴
せっかく就職する意思があり、就労支援事業所に通い始めても、失敗する方もいます。現場でよく見られるのは次のタイプです。
- 常に受け身
- 比較せず選んだ
- なんとなく通所
制度ではなく、選び方が原因のことがほとんどです。
そのため、上記のような方は、通所が続かなかったりうまく訓練の成果がでなかったりします。
後悔しない事業所の選び方
支援員として断言します。
必ず複数見学してください。
見るべきポイントは
- 就職率
- 支援内容
- 雰囲気
- スタッフの対応
また、事業所によってはプログラムや訓練の内容が異なりますので、自分のやりたいことや雰囲気なども選ぶポイントになります。
よくある質問
Q:意味ないって本当?
A:就職を目指す方にとって、意味がないところではありません。ただし、合わない人には合いません。
合う人には人生が変わるほど効果があります。
Q:就職できないって聞いたけど?
A:就職率は事業所ごとに大きく違います。だから比較が重要です。
Q:やめとけと言われた
A:否定意見の多くは、制度ではなく「事業所選びの失敗」です。
支援員から伝えたい本音
就労移行支援は魔法の制度ではありません。
しかし、正しく使えば非常に強力な制度です。成功する人の共通点は素直に相談できる人。
まずは、お近くの就労移行支援事業所を探し、見学にいってみてください。
まとめ|メリットとデメリットを理解して選ぼう
就労移行支援のメリットとデメリットを整理すると、
メリット
- 就職支援が手厚い
- 自信がつく
- 生活リズム改善
- 定着支援あり
デメリット
- 給料なし
- 期間制限あり
- 事業所差が大きい
そして一番大切なのは
自分に合う事業所を選ぶこと
です。
迷っているなら、まずは情報収集から始めましょう。
あなたのペースで、一歩ずつ進めば大丈夫です。
